釣りは潮汐と密接な関係がある事は一般に知られていますが、上げ潮のタイミングでどこを狙うべきか分からず困ってしまう方も多いでしょう。
結論から述べますが、上げ潮の時にはサーフへ行ってください。
なぜなら圧倒的に釣果が期待できるからです。
この記事では上げ潮のメカニズムをご紹介するとともに「上げ潮で狙うべきポイント」と「なぜ上げ潮の時にサーフが良いのか?」を解説します。
- 上げ潮の時に海中で何が起きているかを知りたい人
- なぜ上げ潮の時にサーフが良いのか?を知りたい人
- サーフでの効率的な釣り方を知りたい人
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1.上げ潮とは?
海水は月の引力の影響で満ち引きを繰り返しており、潮の干満のことを「潮汐」と言います。潮汐によってできる水の流れを「潮」と言います。
そして、上げ潮とは干潮時から満潮になるまでの潮が満ちてくる状態を指します。
潮見表
潮の動きを把握する際に便利なのが潮見表です。
潮見表は潮の干満の時刻や潮位を予測した表で、いつが大潮なのか?日の出と日の入りは何時なのか?といった情報を読み取ることができます。
次の表は港区(芝浦)エリアの潮見表です。
このように潮見表を使う事で干潮時刻から満潮時刻に移る上げ潮のタイミングを簡単に確認することができます。
タイドグラフ

潮見表は数日先の潮位の予測データを確認できますが、1日単位の潮の変化を分かりやすく表現したものもあります。それが「タイドグラフ」です。
タイドグラフはグラフの上ほど潮位が高く、グラフの下ほど潮位が低いと読み取ることができます。
そして上下幅が大きいほど潮位に差があることを示します。
次のグラフは先ほどと同様に港区(芝浦)エリアの潮位を示しております。

「上げ潮」は干潮から満潮へ向かうタイミングですので赤の矢印が示すタイミングで2回上げ潮となっていることがわかります。
2.上げ潮の時、海の中では何が起こっているのか?
上げ潮の時に海中で何が起こっているかを理解することは重要です。
なぜなら潮が動けば魚も動くからです。魚の動きがわかれば狙いやすいですよね^^
ベイトフィッシュ・プランクトンの集中

上げ潮の時はベイトフィッシュ・プランクトンの集中が起こります。
上げ潮の時は沖合から岸側に海水が流れます。この時に遊泳力の低いベイトフィッシュや、小魚の餌となるプランクトンが岸側に流されます。
ベイトフィッシュが岸側に集まるとそれらを捕食するフィッシュイーターも岸側に集中します。
アングラーが狙えるレンジに魚が移動してきますので、岸からの釣りの場合上げ潮が有利と言えるのです。
餌の供給

上げ潮の時は餌の供給がされるため釣果が期待できます。
潮が満ちてくることでそれまでは露出していた岩場や砂場が水に沈みます。
こうした場所には魚の餌となるエビやカニ、ジャリメといった生き物が生息しています。
上げ潮のタイミングでこれらが海中に沈む、つまり、海中への餌の供給が起きると魚の活性が上がります。
魚の活性が上がるということは、普段は岩陰に隠れていた小魚も動き回るということです。小魚が動き回るとフィッシュイーターの活性も上がります。
結果として釣れやすい環境が生まれ、釣果が期待できるのです^^
3.【簡単!】上げ潮の確認方法

ここまでは潮汐と釣りの関係を見てきましたが、具体的にどのようにして満潮・干潮を調べれば良いのでしょうか?
スマホアプリや腕時計を使うと楽に確認できます。
【スマホアプリ】タイドグラフBI
- 釣れやすい時間を示したBI(=爆釣指数)を★のイラストで表示
- 潮見表・天気など、釣れる情報がすべて一画面に凝縮
- 警報・災害のお知らせ機能が付いているので釣り場でも安心

このアプリはタイドグラフは勿論、多くの情報を一画面に表示できるのが最大の魅力です。
画面にはタイドグラフや潮汐情報、風向・風速、波の高さ、気圧を含む天気予報や水温まで、釣りに必要な情報が網羅されています。
とにかく、多くの情報から釣りを有利に進めたいという方にオススメです。
【腕時計】GW-7900B-1ER
- 釣り場でも安心の20気圧防水とソーラー充電システム
- 大きめで見やすい文字盤
- 直感的にムーンデータ(月齢・月の形表示) とタイドグラフがわかる
刻一刻と変化するタイドグラフが釣れ時を直感的に教えてくれます。
タイドグラフや月齢のほか、ストップウオッチやタイマーといった基本的な機能も充実していますので、普段使いにも使用可能です。
4.上げ潮ならサーフへ行くしかない!
上げ潮の時はサーフへ行きましょう!
釣り場の中でも比較的難易度が高いエリアとして知られるサーフですが、上げ潮では圧倒的に有利な条件で釣りができるからです。

サーフとは砂浜・ジャリ浜・ゴロタ浜を含めた浜全般を指します。
海底の変化点に魚が付きやすい反面、サーフは地形の変化に乏しいため、どこでも釣れるという訳ではありません。
このため、サーフでは離岸流、海の色や波の形の違いを探しながらランガンするのが一般的な釣り方になります。
このように難易度が高い反面、上げ潮では普段は海中に沈んでいて見えなかった地形の変化やストラクチャーの存在を目視することができます。
潮が上がってきたタイミングでそれらを積極的に攻められるため、上げ潮のサーフは釣果がで期待できるのです。
5.サーフの上げ潮での狙い方
サーフの上げ潮での狙い方を「狙うべき場所」と「仕掛けの色」の2点からご紹介します。
【狙うべき場所】スリット・河口
サーフの上げ潮では「スリット」と「河口」を狙うと釣果が期待できます。
スリット

地形の変化に乏しいサーフでは少しの窪みにも魚が集まるため、如何に早くスリットを探り当てるかが釣果に大きく影響します。
スリットを見つけるためには離岸流を見つけましょう。
離岸流は沖に向かって早く流れる海流のことであり、離岸流の直下には沖に続く深いスリットができます。
このスリットが回遊魚やヒラメ・マゴチの接岸ルートとなりますので、スリットの中心・両端を丁寧に探っていきましょう。
河口

河口では上げ潮で有利に釣りができます。
なぜなら干潮時に干上がるポイントでは潮位が上がると「ゴカイ」や「ハマトビムシ」といった小魚の餌となる生物が海中に供給されるからです。
小魚の活性が上がるとフィッシュイーターの活性も上がるのは前述のとおりです。
なお、河口では潮流の流れと河川からの流入水が合わさることで潮の流れが複雑化します。潮の流れが複雑になることで海底に深ぼれができ離岸流の時と同様にスリットが形成されます。そして、
スリットが形成されるのは潮の流れの下流側です。
例えば、潮流が河口の左岸から右岸側に流れている場合は右岸側に立つ方が有利ということですので「流れの下流側」を狙いましょう。
【仕掛けの色】アピール系・赤系
サーフの上げ潮では「アピール系」や「赤系」の仕掛けが効果的です。
アピール系カラー

アピール系カラーとは視認性の高いハイトーンなカラーで、レッドやゴールド、蛍光色といったカラーを指します。
このようなカラーは視界が悪い状況でも遠くからルアーを見つけやすいのが特徴です。



では、なぜサーフの上げ潮では「アピール系」が効果的なのか?それは、
魚の活性が高いからです。
魚の活性が高い時、魚は我先にと餌を捕食します。
こうした時は仕掛けに対して警戒感を抱きにくいため、自然界に存在するようなナチュラル系のカラーである必要はありません。
むしろ、目立つカラーで仕掛けの存在を認識させることが重要であるため、サーフの上げ潮では「アピール系」が効果を発揮するのです。
赤系のカラー
サーフの上げ潮でさらに効果を高められるカラーをご紹介します。
それは、赤系のカラーです。

光の波長の長さは赤外線→赤紫→赤→燈→黄→緑→青→青紫→紫外線の順番に長いことが知られています。そして、水は光を吸収する性質があり、波長が長いほど水中で吸収されやすく短いほど残ります。
例えば深海では水の色が青一色になるのは、波長の短い青色が吸収されずに残ったためです。逆に言うと、赤色は水に吸収されて消えてしまい、よく見えないということです。
つまり、カラーによってアピールレンジが違う。ということです。
水深の深い場所でアピールしたい場合は青系を使用すれば良く、サーフのように水深の浅い場所では赤系が効果的ということです。
6.上げ潮の爆釣パターン2選
上げ潮のタイミングと重なると爆釣となりやすい「爆釣パターン2選」をご紹介します。
「上げ潮✖️マヅメ」
上げ潮のタイミングが「マヅメ」と同時だった場合、大きなチャンスと捉えて良いでしょう。

マヅメには太陽が昇る「朝マヅメ」と太陽が沈む「夕マヅメ」がありますが、両者はともにベイトフィッシュの集中が起こる現象です。
朝マヅメとは、朝方に太陽が昇る時間帯のことです。この時海中では植物性プランクトンが光合成のために表層付近に移動します。
一方、夕マヅメは夕方に太陽が沈む時間帯のことです。この時海中では夜行性プランクトンが表層付近に移動します。
つまり「朝マヅメ」「夕マヅメ」はともに普段は海中に分散している餌が表層に集まる現象です。
プランクトンが表層に集中した結果、プランクトンを餌とする小魚が表層に集中します。そしてをそれを捕食しようとフィッシュイーターが集まります。
マヅメと上げ潮のタイミングが重なると餌が表層に集中する上、岸側に寄せられますので釣れる可能性が上がります。
魚の集中。これが上げ潮とマヅメのタイミングが同時だと釣れやすい理由なのです^^
「上げ潮✖️大潮」
上げ潮のタイミングが「大潮」と同時だった場合、こちらもチャンスと捉えて良いでしょう。

潮の流れは、月の位置関係から大潮→中潮→小潮→長潮→若潮→中潮→大潮の順に巡っています。
このうち、干満の差が大きいのが大潮で、小さいのが小潮です。潮の流れは大潮から小潮へ向かって変遷しており、小潮から若潮を経て、約30日間の時を経てまた大潮に移ります。
一般的に潮が大きく動く大潮の日は釣果が期待できるとされています。それはなぜか?「水中への酸素供給量の増加」と「プランクトンの集中」が起きるからです。
「水中への酸素供給量の増加」が釣果に影響する理由は、潮が大きく動くほど水中に酸素が供給されるためです。海中の酸素濃度が上昇すると魚の活性が上がるため、大潮の日は釣果が期待できます。
「プランクトンが集中」については、大潮では潮が大きく動きますので流れが強くなります。遊泳力の低い小魚やプランクトンが普段よりも多く流されますのでより一層フィッシュイーターの活性が上がります。
ここに上げ潮が重なると、前述のとおり釣れやすい条件が更に追加されますので、「大潮で上げ潮の日が釣れやすい」という訳です。
7.あとは実践あるのみ!

この記事では上げ潮のメカニズムを解説するとともに「上げ潮で狙うべきポイント」と「なぜ上げ潮の時にサーフが良いのか?」をお伝えしました。
この記事を読んでくださったあなたは上げ潮の確認方法やサーフでの効率的な狙い方を理解いただけたかと思いますので、あとは実践あるのみです。
初めの方は釣り場の狙うポイントが分からないかも知れません。しかし、何度も釣り場に通ううちにちょっとした地形の変化や魚が集まるポイントが分かったりするものです。
ぜひ、次の休日は上げ潮のタイミングを目掛けてサーフへ出かけてはいかがでしょうか^^
最後までご覧いただきありがとうございました。