店頭に並ぶ様々な形のメタルジグを目にすると、何を選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。
一見どれも同じように見えてしまうメタルジグですが、ジグの形状によってアクションが大きく違い、さらには最適な誘い方も違います。
そこでこの記事ではルアー選びの参考になるようメタルジグの形状とアクションの違いをご紹介します。
タイプ別の最適なアクションも紹介していますのでぜひ参考にしてください。
- メタルジグの選び方を知りたい人
- メタルジグの形状に適した誘い方を知りたい人
1.メタルジグの基本情報
メタルジグは10g〜150g程度と重量のバリエーションが多いほか、様々な形状のものが販売されています。
釣り場所に合わせてカラーやサイズを選ぶことで根魚から青物、小物から大物まで魚種を選ばずに釣れるため汎用性が高く、初心者にもオススメしたいルアーのひとつです。

メタルジグの特徴はなんと言っても小魚のようなフラッシングです。
日光を乱反射することにより広範囲の魚を集められる上、不規則なフラッシングは活性の低い魚のリアクションバイトを誘う効果もあります。
また、ルアーそのものが金属であるため比重が高くよく飛び、深い層まで探ることができるのが利点です。もちろん、リトリーブスピードを上げての表層の攻略もメタルジグの強みのひとつです。
基本となるアクションはただ巻き、リフト&フォール、ワンピッチジャーク、ジャカジャカ巻きなど多様です。
そのようなメタルジグ。
形状の違いによってアクションが大きく違うことはご存知でしょうか?
メタルジグの形状は主にスタンダード、ロング・セミロング、リーフ、ファット、スイムの5パターンに分類されます。
ここからはメタルジグのタイプ別にアクションの特徴を解説するとともに、おすすめの使い方をご紹介します。
2.メタルジグの代表的な形状”5パターン”
スタンダードタイプ

スタンダードタイプはショアジギングの中で最もポピュラーなルアーです。
使い方はただ巻き、ジャーク、リフト&フォールと多様なパターンで使用することができます。
やや扁平形で多面で構成されるため、水流を受けることでフォール時には木の葉のように不規則な挙動を示し、リトリーブでは小魚のようなスイムを見せます。
スタンダードタイプの多くはセンターバランスに設定されているため、リトリーブ、フォールでは前後に偏ることなくゆらめくのが特徴です。
オススメのアクション
・ワンピッチワンジャーク




ワンピッチワンジャークはメタルジグがフォールしている最中、ロッドを低く構えたところから一気に跳ね上げることでジグを浮かせるアクションです。
1回のシャクリにつきリールを1回転させながら糸ふけをとるこの動作を5〜10回繰り返すことで手前までルアーを寄せます。
動作を大きくすることでフィッシュイーターから逃げるベイトを演出したり、動作を小さくすることで小刻みなフラッシングで誘うことができます。
ロング・セミロングタイプ

ロング・セミロングタイプは細長いシルエットが特徴で、ジグの長さによってロングとセミロングに分類されます。
水の抵抗が少なくファストリトリーブでの誘いに適しているため、青物を狙った釣りで多用されます。
全長が長いためベイトフィッシュが比較的大きい場合に有効なほか、アピール力が高いのもロング・セミロングの利点です。
このタイプのメタルジグはフォールで誘うのではなく素早いジャークで誘うのが基本となります。
オススメのアクション
・ジャカジャカ巻き




ジャカジャカ巻きは細かく連続してロッドをシャクることで逃げ惑う小魚を演出するアクションです。このため遊泳力に優れる青物狙いでよく利用されます。
この誘いのコツはロッドをシャクり上げたと同時にリールを半回転させ、ロッドを元の位置に戻すと同時にリールを半回転させることです。
ロッド操作とリール操作を同時に繰り返すことでラインスラッグを取りつつ細かくルアーを動かすことができます。10回〜20回を1セットの目安にして足元まで巻き取りましょう。
このアクションはフォール中にバイトがある場合が多いので、キャスト後は気を抜かないようにしましょう^^
リーフタイプ

リーフタイプはボディが幅広の形状をしておりルアーを引く際の水の抵抗が大きいのが特徴です。
このためフォール時には木の葉のようにヒラヒラとフォールするため、スローな操作でリフト&フォールさせるのがオススメのアクションです。
特にオススメなのはボトム付近でのスローピッチジャークによるアクションです。
ボトム付近では根魚やフラットフィッシュといった表層だけでは釣れない多様な魚種が釣れるため、近年では釣りビギナーの方にも人気上昇中のルアーの一つにもなっています。
オススメのアクション
・スロージギング




スロージギングは着水後、一旦ボトムまでルアーをフォールさせてから大きくリフトしてフォールさせるアクションです。
このアクションに適しているのはシルエットが大きく、ゆっくりとフォールするルアーです。
また、スロージギングはハイピッチなロッド操作が必要ないためアングラーの体力の消耗が少なく、長時間の釣りにも向いています。
なお、ボトムを感じ取るためにキャスト後はラインスラッグを巻き取りましょう。
この方法でもボトムを感じられないという方は、ロッドを持つ手の人差し指をラインに添えておくとボトムを取りやすいです^^
ファットタイプ

ファットタイプはやや扁平型のボディのためリーフタイプと似ており、フォール重視の誘い方が活きるルアーです。
リーフタイプとの違いはフォール時の動きです。
ファットタイプはやや肉厚のボディであるため、リーフタイプほど大きくスライドしながらフォールしないのが特徴です。
オススメのアクション
・スロージギング(カーブフォール)




オススメのアクションはリーフタイプと同様のスロージギングですが、フォール時にラインにテンションをかけたカーブフォールです。
フォール時にラインテンションをかけることでルアーの動きを抑えられるため、ゆらゆらと弱った小魚のような動きをします。
この動きが活性の低い魚に対してじっくりと動きを見せられるため、魚の目の前でルアーを長く見せられて焦れた魚は思わずバイトすることが多いです。
スイムタイプ

他のメタルジグとは異なり、ただ巻きすることに特化したのがスイムタイプです。
このタイプはただ巻くだけで小魚のようにテールを振りながらスイムアクションをします。
メタルジグの飛距離とミノーのようなスイムを実現した優れもので、飛距離を求められるサーフなどでも多く使われるルアーです。
オススメのアクション
・ストップ&ゴー

スイムタイプはリトリーブするだけでもよく泳ぐため、基本となるアクションはただ巻きです。
ただし、ターゲットの活性が低い時はただ巻きだけでは食いついてこない場合がありますので、こまめにストップを入れることで魚にバイトのタイミングを作るのが有効です。
3.ウェイトバランス
ここまではメタルジグのタイプ別の特徴をご紹介しましたが、タイプ別の違いの他にもウェイトバランスの違いもあります。
メタルジグのウェイトには大きく「センターバランス」「フロントバランス」「リアバランス」の3パターンがあります。ここからはそれぞれのバランスの持つ特徴についてご紹介します。
センターバランス

センターバランスはウェイトがセンター付近に位置しているもので、特出した特徴はないものの全体的にバランスの取れたルアーです。
このため初心者にも扱いやすく、釣具屋で目にするメタルジグの多くがこのタイプに分類されます。
センターバランスの特徴
・ゆらゆらと大きく揺れながらフォール
・ただ巻きでもテールがよく泳ぐ
センターバランスはフォール時に一定方向を向かず不規則に反転するため、ゆらゆらと木の葉のように揺れながらフォールするのが特徴です。
大きく揺れるフォールはターゲットに派手にアピールできるため魚の活性の高い時に使用すると良いでしょう。
また、センターバランスはスタンダードタイプやリーフタイプに多く見られるウェイトバランスで、よりフォールでの誘いを重視したい時に積極的に活用しましょう。
フロントバランス

フロントバランスはウェイトが前方に偏ったルアーのことで、「水平フォール」を謳ったルアーはほとんどこのタイプに該当します。
フロントバランスの特徴
・フォールは安定した姿勢の「水平フォール」
・リトリーブでテールが小刻みに泳ぐ
弱った小魚が沈んでいくような水平フォールをするのがフロントバランスの特徴です。また、フォール時にはラインの抵抗により真っ直ぐに落ちていかず、ややアングラー側へカーブフォールをします。
重心がフロント寄りなためリトリーブ時にはテールが動きやすく、小魚のような小刻みなスイムが特徴です。
ゆっくりとした水平フォールを活かすため、このタイプの使い時は魚の活性が低い時です。
テールバランス

テールバランスは後方にウェイトを偏らせたルアーで、キャスト時の飛距離を稼げるのが最大の特徴です。
テールバランスの特徴
・キャスト時の飛距離が長い
・フォールは早めの垂直フォール
このタイプのルアーはテール側にウェイトが偏っているため、キャスト時の飛行姿勢が安定しやすく飛距離を伸ばしやすい特徴があります。
また、着水後の沈みは早く、ただ巻きをした場合は大きなS字を描くスイムを見せます。
また、メタルジグに限らず様々な種類のルアーがありますが、キャスト時の飛距離を求めるならテールバランスのメタルジグに勝るものはないでしょう。
4.メタルジグを使いこなそう

表層〜低層、青物から根魚まで狙えるメタルジグ。
どのようなタイプのメタルジグでも多くの釣果を期待できますが、様々なタイプを状況に応じて使い分けることによってより効果の高い釣りができます。
さらにはメタルジグの形状に適したアクションをすることで釣りの効果を何倍にもすることができます。
そこでこの記事ではメタルジグの形状の違いを解説するとともにオススメのアクションをご紹介しました。
この記事を参考に、釣り場の状況や魚種に合わせて様々なタイプのメタルジグを使い分けてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考資料
・超やさしいルアーフィッシング
一番釣れるショアジギング 株式会社ケイエス企画